くらしの法律情報
2026年01月05日 [くらしの法律情報]
遺言を書くと、家族に知られてしまうのでしょうか?

司法書士の清水です。
遺言のご相談をしていると、意外と多いのが、「遺言を書いたことや、その内容って、家族に知られてしまうんですか?」
というご質問です。
「まだ元気なのに、遺言の話をするのは気が引ける」「内容を知られて、気まずくならないか心配」等など
そんなお気持ち、とてもよく分かります。
今回は、「遺言を書くと、家族に知られてしまうのか?」という疑問についてお話しします。
原則として、遺言の内容は生前に知られません
まずお伝えしたいのは、遺言を書いたからといって、その内容が自動的に家族に伝わることはありません。遺言は、書いたご本人だけが内容を知るもの、生前に開示する義務はないものです。
誰にどんな内容を伝えるかは、すべてご本人の判断になります。
遺言の種類によって、家族など他者への知られ方は異なります
遺言の作り方によって、家族など他者が知る可能性の有無は変わってきます。自筆証書遺言の場合
自分で保管している限り、家族が中身を知ることは基本的にありません。ただし、自宅で見つかる、保管場所を誰かに伝えている場合には、存在を知られることはあります。
公正証書遺言の場合
公証役場に原本が保管されますが、生前に家族へ内容が通知されることはありません。公証人から、「こういう遺言がありますよ」と連絡がいくこともありません。
法務局の遺言保管制度を利用した場合はどうなる?
法務局の遺言保管制度を利用しても生前に知られることはありません。ご本人が生きている間に、家族が内容を確認することはできません。
相続が始まってから、一定の手続きを経て、初めて遺言の内容が明らかになります。
「法務局に預けると、家族に通知がいくのでは?」と心配される方もいますが、そのようなことはありません。
あえて「知らせる」選択もあります
一方で、あえて遺言を書いたことを家族に伝える方もいます。
争いを防ぎたい、自分の考えを理解してもらいたい、安心してもらいたいなどの理由から「遺言を書いたよ」とだけ伝え、
中身までは話さないという方もいらっしゃいます。
どこまで伝えるかは、ご家庭ごとに正解が違います
大切なのは「自分のペースで決めること」です。遺言を書くことも、家族に伝えるかどうかも、ご本人の自由です。
無理に話す必要もありませんし、隠さなければならないものでもありません。
「今はまだ話さなくていい」、「必要になったら伝えよう」そう考えても、まったく問題ありません。
あいおい事務所からのひとこと
遺言は、家族に知られずに作ることもできるものです。
だからこそ、「家族にどう思われるか」を気にしすぎて、書くこと自体をためらう必要はありません。
大切なのは、ご自身が納得した形で、ご自身のタイミングで準備することです。



