くらしの法律情報
2026年02月09日 [くらしの法律情報]
公正証書遺言はお金がかかるけれど、本当に必要なのでしょうか?

司法書士の清水です。
遺言のご相談をしていると、よくこんな声をいただきます。
「公正証書遺言って、費用がかかりますよね?」
「そこまでしなくてもいいのでは、と思ってしまいます」
今回は、「公正証書遺言は本当に必要なのか?」という疑問についてお話しします。
公正証書遺言は、なぜ費用がかかるのでしょうか?
公正証書遺言は、・法律の専門家である公証人が関与する
・内容を法律に照らして確認する
・公的な文書として作成・保管される
という特徴があります。
そのため、作成にあたっては一定の費用がかかります。
「自分で書けばほとんどお金はかからないのに…」そう思われるのも無理はありません。
費用以上に大きいのは「安心感」
公正証書遺言の最大のメリットは、あとで揉めにくいことです。
・形式の不備で無効になる心配がない
・内容がはっきりしている
・本人の意思が確認されている
・手続きのことまで考慮のうえ、作成している
その結果、相続が始まったあとに「この遺言は本当に有効なの?」と問題になる可能性が、ぐっと下がります。
「手続きが止まらない」ことが重要
実際の相続手続きでは、不動産の名義変更、預貯金の解約、売却を前提とした手続きなど、さまざまな場面があります。公正証書遺言は、こうした手続きを止めにくい遺言です。手続きのことまで考慮されているため、相続人全員の同意を求められる場面も少なく、スムーズに進むケースがほとんどです。
すべての方に必要、というわけではありません
ここで大切なのは、「公正証書遺言でなければならない」わけではないという点です。
たとえば、
・財産が比較的シンプル
・相続人間のトラブルリスクが低い
・相続関係が単純
・専門家の助言を受けて自筆遺言を作れる
こうした場合には、自筆証書遺言でも十分なケースもあります。
大切なのは、ご自身の状況に合った方法を選ぶこと
ふだんいろいろなお立場の方から相談をお受けしている立場から、次のような方には公正証書遺言が向いていると感じています。
・相続人が複数いて、関係性が複雑
・不動産が複数ある
・将来、売却や換価を考えている
・遺言が無効になるリスクをできるだけ避けたい
こうした場合、費用以上の安心を得られることが多いです。
あいおい事務所からのひとこと
公正証書遺言は、「お金をかける遺言」ではなく、「将来の手間や心配を減らすための遺言」だと私たちは考えています。もちろん、無理に選ぶ必要はありません。
大切なのは、ご自身の状況、ご家族のこと、その後の手続きを踏まえて、一番合った形を選ぶことです。
自筆証書がよいのか、公正証書がよいのか遺言作成でお悩みの方はお気軽にご相談ください。



