くらしの法律情報
2026年10月05日 [くらしの法律情報]
遺言は、いったい何歳から書いた方がいいのでしょうか?

司法書士の清水です。
あいおい事務所のブログでは、日々のご相談の中でよくいただく疑問を、できるだけ分かりやすくお伝えしています。
今回はその中でも特に多いご質問、「遺言は、何歳くらいから書いた方がいいのでしょうか?」というテーマについてお話しします。
「遺言はまだ早い」と思っていませんか?
50代、60代の方に遺言の話をすると、「縁起でもないですね」、「まだ元気なのに、早すぎる気がします」といった答えが返ってくることが多いです。確かに、毎日元気に過ごしていると、遺言はまだ先の話に感じるものです。
しかし実際のご相談では、「もう少し早く準備しておけばよかった」という声も、決して少なくありません。
遺言に「何歳から」という決まりはありません
結論からお伝えすると、遺言に「この年齢から書くべき」という決まりはありません。ただ、実際に相談に応じている私の感覚としては、
・財産の内容がある程度はっきりしてきた
・家族構成が落ち着いてきた
・これから先の暮らしを考えるようになった
こうした時期が、一つの目安になると思います。
特に50〜70代は、「今は元気で判断力もしっかりしている」、「でも、この先はどうなるか分からない」そんな思いが自然と心に浮かびやすい年代です。
「元気なうち」にしか書けない理由
遺言でとても大切なのは、ご本人が、自分の考えをきちんと判断できる状態であることです。たとえば、
・認知症が進んでから作った遺言
・体調が著しく悪い時期に作った遺言
このような場合、ご本人が亡くなった後になって「本当に本人の意思だったのか?」と疑問が出て、相続の話がこじれてしまうことがあります。
「そのうち書こう」と思っている間に、書きたくても書けなくなってしまうというケースも、実際に起こっています。
遺言は「これからの人生」を安心して過ごすためのもの
遺言を書くことは、「もうすぐ亡くなる準備」ではありません。
むしろ、
・家族に余計な負担をかけないため
・自分の気持ちをきちんと伝えるため
・この先の人生を安心して過ごすため
など大切な備えです。
あいおい事務所では、「60代で一度作り、70代で内容を見直す」という方も多くいらっしゃいます。
遺言は、一度作ったら終わりではなく、状況に合わせて、何度でも書き直すことができます。
最初から完璧を目指さなくて大丈夫です。
「まだ全部は決めきれない」、「家族の反応や気持ちも気になる」
そう感じるのは、とても自然なことです。
最初は、自分にどんな財産があるのか、誰に対してどんな思いがあるのかを整理するだけでも、十分な一歩になります。
あいおい事務所からのひとこと
遺言は、早すぎて困ることはほとんどありません。けれど、遅すぎると、書けなくなってしまうことがあります。
「まだ早いかな?」そう思った今こそ、実は一番落ち着いて考えられる時期かもしれません。














