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くらしの法律情報
2026年03月02日 [くらしの法律情報]

延命治療の判断は後見人が勝手に決めるの? 〜本人の「想い」をどう守るか〜

こんにちは!司法書士の清水です。
「成年後見・任意後見QAブログ」として、何回かにわたって本ブログにてお答えします。

今回は、「延命治療の判断は後見人が勝手に決めるの?」というテーマです。

「もし認知症になったら、延命治療をするかどうか、後見人が勝手に決めてしまうのでは?」そんな不安の声をよくお聞きします。
実はこの問題、制度を正しく理解しておくことがとても大切です。


後見人の権限には「限界」がある
まず前提として、成年後見人には財産の管理や契約の代理といった法的な権限はありますが、医療行為そのものを「本人の代わりに決定」する権限はありません。
つまり、延命治療や手術の可否といった生命や身体に関わる判断は、後見人が単独で決めることはできないのです。
医療現場では、主治医・家族・施設職員などが集まり、本人の意思を尊重しながら協議して方向性を決めるのが一般的です。後見人はその場で「本人の意向を代弁する立場」として関わります。

本人の意思をどう反映するか
問題は、本人が自分の希望を言葉で伝えられなくなった場合です。「延命治療は望まない」「自宅で最期を迎えたい」など、本人の想いを事前に確認しておかなければ、家族や医療側が迷ってしまうこともあります。

そのために有効なのが、次のような方法です。
・任意後見契約で「どんな医療・介護を希望するか」を文書で明確にしておく
・エンディングノートや尊厳死宣言書などに、自分の意思を残しておく
・家族と普段から「もしもの時どうしたいか」を話し合っておく
これらがあることで、後見人も本人の想いを尊重した判断がしやすくなります。

医療現場との関係は「協議と調整」
実際の現場では、後見人が医師や家族と協議しながら「本人らしい最期」をどう迎えるかを考えます。
法律上は後見人に最終決定権はありませんが、「本人の代理人」として医療機関との連絡・契約・費用支払いなどの事務手続きを担う役割があります。

このため、後見人が本人の意思をきちんと理解し、医療側に伝えることがとても大切です。「法律」だけでなく、「人としての思い」に寄り添うことが、後見人の大切な仕事なのです。


あいおい事務所からのアドバイス
成年後見制度は、“本人の生活と尊厳を守るための制度”です。
私たちは、法的なサポートだけでなく、ご本人の「どう生きたいか」「どこで暮らしたいか」という想いを大切にしています。
判断能力があるうちに、自分の希望を整理しておくことは、残される家族への“やさしさ”にもなります。
あいおい総合事務所では、任意後見契約やエンディングノートづくりのサポートも行っています。
「もしもの時にどうしたいか」――それを今、静かに考える時間を持ってみませんか。

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