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くらしの法律情報
2026年08月24日 [くらしの法律情報]

後見制度と家族信託はどう違うの? 〜“守る仕組み”と“活かす仕組み”の違い〜

こんにちは!司法書士の清水です。
「成年後見制度 よくある質問シリーズ」として、何回かにわたって本ブログにてお答えします。

今回は、「後見制度と家族信託の違い」についてお話しします。
どちらも“高齢期の備え”として注目されていますが、目的や仕組みが異なります。
後見制度が「法律によって守る」仕組みだとすれば、家族信託は「家族で話し合い、柔軟に活かす」仕組みです。

後見制度 ― 判断能力が低下した後の「法的な支え」
後見制度は、認知症などで判断能力が不十分になった方を、法的に保護・支援する制度です。
家庭裁判所が後見人を選任し、本人の財産管理や契約行為を代理します。
制度としての信頼性が高く、トラブル防止にも有効ですが、その分、手続きや報告義務などが厳格に定められています。

特に大きな特徴は、「家庭裁判所の監督のもとで行われる」という点。
透明性が確保される一方で、柔軟な対応が難しい場合もあります。
たとえば、居住用の不動産の売却や高額支出には家庭裁判所の許可や確認が必要で、本人の希望をすぐに反映できないこともあります。

また、後見人は本人の利益のための行為しかできないため、たとえ家族への援助や贈与であっても、原則として行うことはできません。
制度の目的は、本人の財産を「守る」ことにあり、財産の移転や分配を目的とした行為は認められないのです。

家族信託 ― 判断能力があるうちに「自分で決めておく」仕組み
一方、家族信託は、判断能力があるうちに自分の財産を家族に託し、管理や運用を任せる仕組みです。
家庭裁判所の関与はなく、信頼できる家族(受託者)に財産を託して、その人が本人(委託者)や家族のために活用します。

たとえば、
・高齢になった親が子どもに自宅の管理を託す
・将来の介護費用を確保しておく
・相続の承継をスムーズに進めるための準備をする

といったように、「生活」と「財産」を前向きに活かすための制度です。
ただし、家族信託は家庭裁判所の監督がない分、契約内容の設計や信頼関係の構築が非常に重要になります。

あいおい事務所が考える「両制度の上手な使い分け」
後見制度と家族信託は、“どちらか一方を選ぶ”ものではありません。
むしろ、目的に応じて組み合わせて使うことで、より安心な体制を整えることができます。
たとえば、今のうちに家族信託で財産管理を計画しておき、判断能力が低下した後は後見制度で生活支援を補う。
こうした組み合わせにより、「活かす仕組み」と「守る仕組み」をバランスよく備えることが可能です。

当所では、司法書士として両制度を熟知した立場から、「ご本人の想い」「ご家族の関係性」「財産の状況」を丁寧に整理し、最適な制度設計をサポートしています。

制度を知ることが、家族を守る第一歩に
制度を知らないままでは、せっかくの財産が思うように使えなかったり、手続きが遅れてしまったりすることもあります。
後見制度も家族信託も、“縛るため”ではなく“安心して生きるため”の仕組みです。
それぞれの特性を理解し、自分や家族に合ったかたちで備えることが大切です。
当所は「守る」と「活かす」の両面から、暮らしと財産を支えるお手伝いをしています。どうぞお気軽にご相談ください。

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